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未邦訳ゲームブックシリーズ


アドベンチャーゲームブック
「審判の騎士団」
原題「Knights of Doom」

ジョナサン・グリーン 著
ノスクカジェイ・エベッツ 訳

書き下ろし表紙イラスト
おかな(おかなのしるし)


審判の騎士団は解き放たれた。

舞台は旧世界大陸北方に位置するラドルストーン王国。好戦的な隣国ブライスの侵攻を度々受けながらも、善と悪の勢力が微妙なバランスを保ちながら共存してきたこの国に恐るべき脅威が迫る。100年前、兄王チバラス九世との権力闘争に敗れて滅びた「恐怖の君主」ベルガロスが復活したのだ。「審判の騎士団」と呼ばれる混沌の軍勢と共に甦ったベルガロスは100年前の遺恨を晴らし、ラドルストーンを手中に収めるべく軍事行動を開始した。ブライスとの国境を守る魔守城の神官騎士団でも屈指の勇士である主人公は都の城砦へと呼び出され、ベルガロス軍の陣を突破して探索するよう命じられたのだが…。

シリーズの看板イラストレーターであるマーティン・マッケンナと共に今やたった二人でFFの金看板を守っている“最後のFF作家”ジョナサン・グリーン。その作品群で現在唯一復刻されておらず、古書市場でも日本円にして1万5千円〜2万円の高値で取引されているシリーズ屈指の問題作とも言うべき奇書がついに翻訳! 果してこのゲームブックをプレイしてなお、「甦る妖術使い」の事を難しいなどと言っていられるでしょうか…。

注:この本は全FFゲームブックの中でも難易度では5本の指に入る激ムズアドベンチャーです。活字・コンピューターを問わずアドベンチャーゲームに慣れていない初級者には難しすぎるでしょう。事前に「火吹山の魔法使い」など既存のゲームブック類をやってこの手のゲームにある程度慣れてからプレイする事をお勧めします。
また、原書にはシナリオ及びルール面での矛盾や説明不足・不備が多数存在する為、それらについてはやむなく訳者の判断で改稿やルールの追加・変更を行いました。これらのバグは非常に多く、単純に原書を訳しただけの内容ではまともにプレイ出来ないと判断した為です。従って本書では原書と展開やルールが一部異なる部分がある点を御了承下さい。それらの改稿・改訂部分は巻末の付録に一覧を設けて掲載します。


・ゲーム内容
選択式のアドベンチャーゲームです。番号1番から読み進めて主人公の行動を選択し、指示された項目へ進んで下さい。そうして最終目的を達成すればゲーム終了。最初のうちは敵との戦闘に破れて敗死したり選択を誤って冒険を失敗する事でしょう。その時は再び1番からスタートです。
本書では他のFFゲームブックとは違っていくつか新しいシステムが追加されています。


・新システム
「特殊技能」「名誉点」「時間」といった新たな能力値が設定されています。


・主な登場人物
「貴公」
ブライスとの国境地帯にある国防拠点「魔守城」でも屈指の勇士。剣神テラクを崇める神官騎士で、ベルガロスの復活に際してコンノールと共に都へ召喚された。ベルガロス軍を迎え撃つ軍備が整うまでに敵地へ潜入して敵情を探索するよう言い渡されるのだが…。

「ファイヤーメイン号」
主人公の愛馬。

「ランノール王」
当代のラドルストーン国王。

「アラナンダス」
ラドルストーンの宮廷魔術師。

「賢者ハールイン」
ウェンデフォード郊外の森に住む賢者。

「タリス・ヴァレン卿」
ラドルストーンの地方領主。クリーヴ荘の主。レインの森の大イノシシに領民が脅かされているので主人公に救援を依頼する。

「ナスラ・ストローン」
ハヴァロックの街に拠点を構える傭兵ギルドの頭。

「トーリン・シルバーブレード」
ドワーフの武器職人。その鎧は魔力を秘めると言われる。元神官騎士団員だった。

「コンノール卿」
神官騎士団員の一人で主人公の戦友。王命を受けて主人公と共に魔守城から呼び出される。

「エライナ」
レインの森に住むエルフ族の尼僧魔術師。

「ウォデウォース族の主」
レインの森の樹木の精霊・ウォデウォース族の主。

「セラストリックス」
神の使いとして遣わされた神G。

「チバラス九世」
100年前のラドルストーン国王にして神官騎士団の司令官。ベルガロスの兄。故人。

「ブライヤー」
邪悪な植物の精霊を崇拝するカルト宗教「闇イバラ教」の教主。レインの森を雑草と宿り木のイバラで覆い尽くそうと目論み、ベルガロスと同盟を結ぶ。

「ムルグリム」
混沌の力に魅入られて身も心もケダモノに変異した獣人の君主で、ベルガロスの同盟者。仇名は「虐暴獣王」。

「ベルガロス」
100年前ラドルストーンの王弟だったが、兄王のチバラスから権力を奪うべく混沌の邪神に魂を売った。クーデターに失敗して戦死するが、100年後に配下の軍勢と共に甦り、再びラドルストーンを手中に収めんと軍事行動を開始する。邪悪な魔術を操る暴虐な人物で「恐怖の君主」という仇名を持つ。

本文サンプル

燐光はすぐに大きくなり、はっきりとした姿を形作った。亡霊の馬に乗って武装した幽霊の騎士は、貴公達の眼前で不気味な緑の光に包まれている。兜の中の顔は皮膚のないドクロで、空洞の眼窩が貴公達を見下ろす。幽霊は剣で貴公達を指し、顎を開いて恐ろしいうめき声を上げる。「用心せよ、生ある者よ。用心せよ!」貴公達が行動を起こす前に馬が上体を起こし、前足の蹄で踏みつけようとしてきた。賽を一つ振れ。偶数が出たら五七へ。奇数が出たら一四五へ。

五〇
貴公の前にジャガーノートはそびえ立つ。直系四メートルの車輪によって引かれる巨大な戦車の上に、高さ二〇メートル以上はある堂々たる石塔が建てられているものだ。上部にあるエンジン部の金属で出来た悪魔の頭部からは煙と蒸気が排出され、土台にある刺の付いた鉄拳型の破城槌がリズミカルに打ち下ろされて城壁の別の部分を破壊する。悪魔の頭部の下にはカイールスカールの紋章である、ドクロを頂く黒い塔の図が描かれた巨大な盾が掲げられている。ジャガーノートの内部からは凄まじいうめき声と轟音、きしみ音が聞こえてくる。おそらくこれは悪魔によって操られているのだろう。恐れを振り払い、貴公はこの堅固な移動要塞に侵入する方法を探る。後部車輪近くの車台に取り付けられているはしごが塔の土台にある落とし戸へとつながっている。貴公はこれを目標に定めた。運試しをせよ。吉なら二二〇へ。凶なら一四六へ。

一〇七
突如、貴公の心は極めて邪悪な欲求に満たされる。貴公は混沌のルーン文字に込められた精神を堕落させる攻撃に抗おうとするが、全くの無駄だ。貴公の鎧は黒ずみ、ルーン文字の精神攻撃によって心が穢れていく。これから貴公はベルガロス配下の新たな「チャンピオン」となり、彼の邪悪な軍勢を都の城塞へと導くのだ。ラドルストーンは滅亡した!

一四九
敵に囲まれた道に切り込んで戦線を突破すると、怒りに血の沸き立つような場面に遭遇する! 貴公の味方の死体が一人の獣人戦士の前に倒れている。怪物の身長は約三メートル、狼のような頭を持ち、口には短刀のような長さの牙を生やし、頭部から背中にかけて長い刺が並んでいる。筋骨隆々とした腕と爪の伸びた手で、端に危険な刃の取り付けられている壊れた戦車の車軸をつかむ。獣人の胴体には鎖が巻き付けられ、ベルトには以前に倒した敵の首がぶらさげられている。乱戦の最中、その汚れた混沌の落とし子は武器を貴公目掛けて振り回す。
獣人のチャンピオン 技術点・一二 体力点・一四
チャンピオンの持つ戦車の大鎌で斬られると体力点三のダメージ(運試しで吉なら二点、凶なら四点)を受ける。この恐るべき敵を破ったら二三六へ。

一六二
貴公が立ち上がるや王の間の向こう側からベルガロスが大股で歩いてきた。「神官騎士め、叩き潰してくれるわ!」彼は強く吐き捨てるように言う。「そして何人たりともわしを止めることは能わぬ。予言が成就される事など有り得んのだ!」貴公が丁度武器を構えた時、恐怖の君主もルーン文字の刻まれた黒い長剣を抜いた…

二九一
貴公の前方に続く道からさらに古代の森深くへと、イノシシが移動した痕跡を発見する。すぐに貴公は獲物を追う。腕試しをせよ。ただし追跡の特殊技能を心得ていない場合は賽の目に一を加え、狩猟のお守りを持っていれば一を引く事。成功したら三四三へ。失敗したら三〇へ。